つみたてNISA20年後|想定外の売却判断が来る理由
実は、「売る」のが一番難しかった話
先に結論を言います。
つみたてNISAの本当の難所は「買い続けること」じゃなく、「どこで売るか」です。
今これを読んでいるあなたは、毎月コツコツ積み立てていて、それだけでもすごいことだと思います。
でも、正直に言うと……20年後の「売り時」を今から考えている人は、ほとんどいません。
私も最初は「20年後に一括で売ればいい」と軽く考えていました。でも調べれば調べるほど、そう単純じゃないと気づいたんです。
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こんなイメージでコツコツ積み立ててきたお金。「売る」判断はどうやってする?
- 20年後に「よし売ろう」と思えるのか?
- そのとき相場が下がっていたら?
- インフレで「増えたのに目減り」なんてことも?
- 生活が変わっていたら、売る額はどう決める?
この記事では、これらの「知らなかったら後悔する」ポイントを、私の体験をもとにお伝えします。
まず「20年後」の自分をイメージできていますか?
30歳でNISAを始めたら、満期は50歳
30歳でつみたてNISAを始めた場合、非課税期間(ひかぜいきかん、税金がかからない期間のこと)は最長20年です。
つまり満期は50歳前後。
50歳のあなたは、今と同じ生活をしているでしょうか?
子どもの教育費がピークかもしれません。
親の介護が始まっているかもしれません。
転職や独立で、収入が変わっているかもしれない。
私の場合: 32歳で脱サラした今、10年後の自分の生活がまったく想像できません。だからこそ、「売り方の選択肢」を今から持っておくことが大事だと感じています。
- 教育費のピーク(子どもが大学生の頃)
- 住宅ローンの残高
- 親の介護費用
- 自分の健康状態・働き方の変化
20年後の「必要なお金」は、今の想定とかなりズレる可能性があります。
「満期=一括で売る」は思い込みかもしれない
つみたてNISAには「満期になったら強制的に売られる」という仕組みはありません。
非課税期間が終わると、課税口座(かぜいこうざ、通常の証券口座)に自動移管(いどう)されるのが基本です。
売らずに持ち続けることもできます。
でも「じゃあいつ売ればいいの?」という判断は、自分でしなければなりません。
誰も「今がベストタイミングです」と教えてくれないんです。
詳しくはつみたてNISA 40万円 引き出しについての記事でも解説しています。参考にしてみてください。
インフレで「増えたのに損」になる可能性がある
お金の「量」が増えても「価値」は別の話
これが一番、みんなが見落としているポイントだと思います。
インフレ(物価が上がること)が続くと、同じ100万円でも買えるものが減ります。
たとえば年2%のインフレが20年続くと、今の100万円の価値は実質的に約67万円相当になる計算です(あくまで参考の数字です)。
ポイント: NISAで資産が「数字の上で増えた」としても、インフレ率を上回っていなければ実質的な価値は目減りしている可能性があります。
- 資産の「額面」と「実質価値」は別物
- インフレが高い時期に売ると、購買力(こうばいりょく)が落ちている場合がある
- だからこそ「何に使うか」を先に決めておくことが大事
私も最初は「とにかく増やせばOK」と思っていました。
でも「増えたお金で何を買うか」まで考えないと、インフレに負けるリスクがあると知ってから、使い道を先に決めるようにしました。
「何のために積み立てているか」が売却判断を決める
老後資金なのか、教育費なのか、住宅購入の頭金なのか。
目的が決まっていないと、売り時も決められません。
これは投資の話というより、ライフプラン(人生設計)の話です。
- 老後用:60歳以降に少しずつ取り崩すプランが合いやすい
- 教育費用:子どもが高校生になる2〜3年前から分割で売るのが一般的
- 住宅用:購入時期が見えてきたら逆算して早めに売り始める
目的によって、最適な売り方がまったく違います。
「相場が下がったとき」に売れるか問題

長期でコツコツ積み立てていると、こういうグラフを夢見がちですよね。でも「売る瞬間」の相場は誰にも読めません。
20年後がたまたま暴落中だったら?
ここが一番の落とし穴だと思っています。
積み立て20年目の満期タイミングに、リーマンショック級の暴落(相場が大きく下がること)が来ていたとしたら?
「もう少し待てば戻るかも」と思って売れないまま、課税口座に移管されて……という展開は十分あり得ます。
実は私も最初は: 「20年もあれば絶対プラスになるはず」と思っていました。でも「絶対」なんてない。暴落のタイミングが重なるリスクは、誰にでもあります。
- 1〜2年前から少しずつ「分割売却」するプランを持っておく
- 満期の3〜5年前から「守りの配分」に切り替えることも選択肢のひとつ
- 「この金額を下回ったら売らない」という自分なりのルールを決めておく
投資は自己責任。でも、ルールを先に決めておくと、判断に迷いにくくなります。
「損したくない」心理が判断を狂わせる
人間は「損をすること」に対して、「得をすること」の2倍以上の感情的ダメージを受けると言われています(損失回避(そんしつかいひ)バイアスと呼ばれる心理です)。
つまり、相場が下がると「もう少し待とう」と思いやすく、上がると「まだ上がるかも」と売れなくなりやすい。
感情で売却を判断すると、結果的に最悪のタイミングになりがちです。
だからこそ、感情ではなく「目的・時期・金額」のルールで動くことが大切なんです。
「継続」と「出口」は別のスキル
買い続けることは習慣化できる。でも売ることは習慣にできない
つみたてNISAは「毎月自動で買う」設定ができます。
だから続けることはわりと簡単になってきます。
でも「売る」は毎回、自分で判断しなければなりません。
自動化できない、一回きりの大きな決断が待っています。
私の場合: 投資を始めた頃は「買い方」だけを勉強していました。「売り方」は後回しにしていた。でも今は、出口戦略(どこで売るかのプラン)こそが一番大事だと感じています。
- 「買う習慣」は自動化できる
- 「売る判断」は自動化できない
- だからこそ、売り方のルールを早めに考えておく必要がある
今から「20年後の自分はどう売るか」を考え始めることは、早すぎることはありません。
「一括売却」より「分割売却」が心理的に楽な理由
20年分の積み立てを一度に全部売ろうとすると、「このタイミングで合ってる?」という迷いが最大になります。
一方、数年かけて少しずつ売る「分割売却」は、タイミングのリスクを分散できます。
積み立て時に「ドルコスト平均法(毎月一定額を買い続けることでリスクを平均化する方法)」を使うように、売る時も時期を分けることで判断の重さが軽くなります。
- 満期の2〜3年前から少量ずつ売り始める
- 「この金額分だけ今年売る」と年間の目標を決める
- 使い道が決まったら、その分だけ売る
これだけでも、20年後の「売れない…」という状態を防げる可能性が高まります。
詳しくはNISA 積立 40万円 継続のための心がまえについての記事も参考にしてみてください。
私が今から準備していること

こんなふうに、ゆったり自分の資産を確認する習慣を持つことが、判断力を保つ第一歩だと思っています。
「いつ」「何のために」「いくら」を先に決める
私が今やっているのは、シンプルにこの3つを決めておくことです。
- いつ売るか: 子どもの大学入学前年・自分が55歳になった年、など具体的な年齢や出来事に紐づける
- 何のために売るか: 老後資金・教育費・住宅費、など用途を明確にする
- いくら売るか: 必要額から逆算して、売る金額の目安を持っておく
これが決まっていると、相場が下がっても「ルール通りに動く」だけになります。
感情に流されにくくなります。
年に1回は「出口プラン」を見直す
生活は変わります。収入も変わります。家族構成も変わります。
だから出口プランも、年に1回は見直す習慣を持っています。
私の場合は毎年1月に、去年の運用状況と来年の予定を照らし合わせて確認しています。
ポイント: 「売る計画」は一度立てて終わりではなく、生活の変化に合わせて更新するものです。
- 年1回、積み立て額と出口プランを見直す
- 大きな出来事(転職・出産・住宅購入)のタイミングで随時確認
- 相場の上下に関係なく「目的ベース」で判断する
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「20年後に困らない」ために今できること
まずは「何のためのNISAか」を言語化する
今すぐできる一番大事なことは、これだけです。
「このお金は何のために積み立てているか」を、一行でいいから書き出してみてください。
老後資金、子どもの学費、旅行資金……何でもOKです。
言語化するだけで、売り時の判断基準が生まれます。
- 老後資金なら:60歳前後から少しずつ取り崩すプランが合いやすい
- 教育費なら:子どもの年齢から逆算して、高校生になる前に動き始める
- 住宅費なら:購入の3〜5年前から分割売却を検討し始める
「勉強してから」は危険信号かもしれない
「もっと勉強してからちゃんと考えよう」と思っていると、10年後も同じことを言っている可能性があります。
実は私も最初はそうでした。完璧に理解してから動こうと思って、何もしないまま半年が過ぎた。
でも投資に関しては、投資 勉強 始める タイミングについての記事でも書いたように、「動きながら学ぶ」が最も効率よく身につく方法だと私は感じています。
20年後の出口のことも、「今から少しずつ考える」だけで十分です。
- 完璧なプランより、ざっくりでも「方向性」を持っておく
- 年1回見直せば、少しずつ精度が上がる
- 「わからない」を放置しない。まず一行でも書き出してみる
まとめ|「積み立てる力」と「売る力」、両方育てよう
つみたてNISAを続けているあなたはすごいです。
でも、その先の「どう売るか」まで考えているかどうかで、20年後の満足感がまったく変わってきます。
- 20年後の生活は今と全然違う可能性がある
- インフレで「増えたのに損」になる可能性もある
- 暴落のタイミングが重なるリスクもある
- 感情ではなくルールで売る準備が必要
- 「いつ・何のために・いくら売るか」を今から考えておく
これらを一気に解決しようとしなくていいです。
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Q.つみたてNISAは20年後に自動的に売られるの?▼
自動的に売却されるわけではありません。非課税期間(20年間)が終了すると、原則として課税口座(通常の証券口座)に自動移管されます。売却のタイミングは自分で判断する必要があります。「いつ・何のために売るか」を事前に決めておくことが、後悔しない出口戦略につながります。
Q.つみたてNISAの売却タイミングはどう決めればいい?▼
「何のために積み立てているか」の目的から逆算するのが基本です。老後資金なら60歳前後から分割で取り崩す、教育費なら子どもが高校生になる2〜3年前から少しずつ売るなど、目的によって最適な時期が変わります。相場の動きだけで判断すると感情に流されやすいため、先にルールを決めておくことが大切です。なお投資は自己責任であり、売却結果を保証するものではありません。
Q.インフレがつみたてNISAに与える影響は?▼
インフレが続くと、資産の「数字」が増えても実際の購買力(買えるものの量)が下がる可能性があります。たとえば物価上昇率が運用利回りを上回る場合、実質的な資産価値が目減りすることもあります。インフレへの対応は一概には言えませんが、「何のために・いくら必要か」を使い道ベースで考えておくことが重要です。
Q.つみたてNISAは一括で売るべき?分割で売るべき?▼
どちらが正解かは人によって異なりますが、分割売却は売却タイミングのリスクを分散できるメリットがあります。20年分を一度に売ると「このタイミングで正しいか」という迷いが大きくなりやすいです。積み立てが「ドルコスト平均法」でリスクを分散するように、売る際も時期を複数に分けることで心理的な負担を減らしやすくなります。投資は自己責任でご判断ください。
Q.つみたてNISAの非課税期間が終わったらどうなる?▼
旧つみたてNISA(2023年以前に始めたもの)の場合、非課税期間20年が終了すると課税口座に自動移管されます。移管後は売却益や分配金に税金がかかるようになります。なお2024年以降の新NISAは非課税保有期間が無期限化されています。自分がどちらの制度を使っているか確認した上で、出口プランを考えることをおすすめします。